“ 暮らし手記 ”essay

jasmine

posted:2023.03.01

モクレン、椿、ジャスミン。
春を迎える花々達が、道端で咲き乱れるようになりました。道路を染める鮮やかな花弁を目にしながら、時の訪れを数えます。

今、灯建築舎の建物裏にも、ジャスミンが咲き乱れています。濃厚な香りは空気に溶け込み、風に運ばれてはその存在を知らせます。

先日、室内で作業をする中、ジャスミンの甘い香りが放たれていて驚きました。香りの元をたどれば、建物の隙間から蔦が侵食していたのです。

植物の生命力は、なんて強いものでしょうか。

香りの強さは、命の証。
足のない植物は、自らの香りをばら撒きながら、伝い這いながらも歩みすすむ。

花はいつだって、自ら咲くことを選んでいる。
初めて知ったような気がする、今年の春手前でした。