“ 暮らし手記 ”essay

用宗と灯建築舎

posted:2023.07.01

うだるような暑さが、日に日に増していくこの頃 。
みなさん、お元気ですか?

今日は、私たち灯建築舎のご紹介です。
静岡駅から、電車に揺られて約十分。
用宗駅を降り、正面の海に向かい歩けば、おだやかな潮風にはこばれるように灯建築舎にたどり着きます。

看板もなく華美でもなく、どこか懐かしさを感じる小さな建築舎です。玄関入口に佇む、年々大きくなっていく青紅葉と、足元に咲くヤマアジサイが私たちの目印です。

独立を決意し、事務所を構えようと決めた時、何軒か物件を回りました。
市外や丸子、そして用宗。描いていたイメージは、温かみのある日本家屋でした。
古民家というほど、立派な構えではなくてもいい。手入れをしながら、私たちらしい事務所を構えていきたい。そんな思いにしっくりきたのが、用宗の物件でした。

直感的に、ここがいいな。と、目が合ったような気がしたのです。なんといっても潮風が心地よく、散歩をしている猫たちの気持ち良さそうなこと。忙しない時計の針が、海辺の時の流れに正されていくようでした。

用宗は、どこかやさしさが薫る街なのです。

あっという間に、この地に事務所を構えて五年の月日が経ちました。初めて訪れたお客様が、なんだかとても落ち着くわ。と、ぽろりと口にする言葉が、私たちの心に溶け込むように。この地にめぐり逢えたこともきっと、ご縁なのでしょう。