師走の記
posted:2021.12.01
師走到来
一か月の長さは、同じはずなのに
この月で年がくくられると思うと
急に、特別な月に思えてきます。
ここ数日、できていないことを数えては
気持ちに余裕がない私を見て
それはきっと師走だから
お坊さんも走り出すって言われるくらいだよ
その言葉に、そうだよね。と、頷きながら
どこか余裕のなかった自分にほっと息をつく
今月はいつもより少しだけ多く
わたしにお疲れ様
を、伝えていこうと思います。
時は咲きゆく
夜更けと朝方のあまりの寒さに
身体をこわばらせながら
乾いた空気に悲鳴を上げる肌を
ゆったりといたわりながら
季節は12月だというのに
満開に咲き乱れる神社のいちょうに
見惚れながらも
時の軸が少しずつずれゆくことに
不安と諦めのような気持ちを覚えるのは
それでも種は発芽し、樹木は実り
やがて花は散っていくように
目の前のことを受け入れながらも
今あるものに沿っていくしかない
そんな気持ちを持つようになったからなのかもしれません。
腹八分目
根菜と葉物野菜がおいしい季節
ほかほかと炊き立てのご飯を土鍋で炊き上げれば
ついつい食べ過ぎてしまいます。
そうこうしているうちに
三キロほどの重い何かが
からだにまとわりつくようになり
焦りを感じながらも、あらゆる寒さを理由に
怠けてしまう私です。
危機感を生かして動けるように
この冬こそはため込まず
来年こそは身軽に生きれるよう
腹八分目を心掛けたいと思います。
命
樹から零れ落ちては
こつこつと音を鳴らしていた
どんぐりはどこかへ立ち消えて
寒々とした空気の中
きりりと佇む裸の木々の姿を
目にするようになりました。
ついこの間まであったものは
当たり前のように、今はなく
在りのままに変化していく自然の姿は
自分たちは命という時計を宿していることを
ありありと知っているからかもしれません。
目の前のことを受け入れきれず
もがく自分の姿の小ささを
明日は笑っていれますように。