卯月の記
posted:2021.04.01
三月末をすぎて一区切り、新たな年度が幕を開けました。
去年に引き続き、深刻な状況が続いていますが
カレンダーをめくり、卯月(四月)という文字を目にすれば
目に映る季節の変化とともに
確実に春という時間がめぐってきたのだと思います。
時はいつでも、止まることを知りません。
一瞬、一分、一時間、一日
あらゆる時の瞬間に心さすものが愉しいものであるように
そんな時間を意識的につくりだしていこうと心に誓う
あたらしい季節の始まりです。
たんぽぽ
白いほわほわしたものに、出会う季節になりました
それはなんでしょう
白い羽?
ケサランパサラン?
(ご存知ですか?)
正解は、たんぽぽの綿毛です
たんぽぽの綿毛が飛んでいる瞬間に出会うと
とても自由な気持ちになります
行く先もあてもわからずとも
ただ風に吹かれて飛んでいく
その道半ば、宙を舞って行くその姿を目にしては
なぜかいいことがありそうな
そんな予感がするのです
桜 散りぬる
桜は、あっという間に
散ってしまうものだと思っていました。
開花が告げられ、日常生活の中で目にし
桜が咲く時期が来たのだな
と、思う束の間に、あっという間に枝は裸に。
新緑の青々とした葉が、みずみずしく伸びていくのはもう少し後のこと。
桜、もう散っちゃったね
というわたしがもらした一言に
とある十歳の男の子が、こう言いました
ちがうよ。成長が早いだけ。
散ることは、終わりではなく
ひとつの過程であると、伝えられたように思いました。
彼にとっては、桜が咲くことも散ることも
青々とした葉がみずみずしくのびていく姿もすべて
桜の姿なのでしょう。
その言葉と彼の感性に
ぐっときたのを今でもたまに、思い出します。
筍ごはん
今年初めて、筍ごはんを作りました。
たけのこごはんといえば、お出しや油揚げなどと炊き上げるのが一般的ですが、私はシンプルに塩と昆布で炊くことが好きです。この魅力は、なんといっても楽なこと。
冷蔵庫にもち米が余っていたので、もち米も一緒に炊き込んで、おこわ風にしてみました。
白米 一合
もち米 一号
塩 小さじ1
こんぶ 一枚
水 360ミリリットル
たけのこ すきなだけ
全てを土鍋に入れたら、おこげができるくらいに炊き上げて、できあがり。
どんなおかずにもぴったりと合う、あっさりとした味わいが好みなのです。
今回は、おにぎりにしたかったので、ツナの醤油麹和えをこっそりと中に仕込んで大きなおにぎりを結びました。ほおばるたびに、うっすらとした塩気にこりこりとしたたけのこ、こっくりとしたツナの味わいに、無言でついつい食べ続ける。たっぷりと二合炊いたはずなのに、一日でたいらげてしまったことに、今更おののいているわたしです。