“ 暮らし手記 ”essay

長月の記

posted:2021.09.30

いつか見た秋

幾多もの季節をこの身で感じ続けても
年々の暑さや寒さに覚えはなく
一度たりとも同じ季節はありません。

季節は八月を迎え九月を招き
夏と秋をまたがって、残暑の中で時を待ちます

涼しさが肌に降る時を待ちわびて
赤く染まる山々を脳裏の中で浮かべれば
それはきっといつか
どこかでみた景色なのでしょう


落花生の塩炊き込みご飯

落花生がではじめました。
私が一番すきな炊き込みといっても過言がない秋の味覚は
落花生の塩炊き込みごはんです。
白米で作ってもよし、もち米で作ってもよし
コリコリとした落花生ともっちりとしたごはんを頬張れば
今年もこの味覚に出会えたことを
幸せだなあ。と、しみじみ思うのです。

作り方

お米2合
水360ミリリットル
塩 小さじ1(使う塩の塩辛さにもよるので、お好みで)

すべて一緒に炊き込んだらできあがり。


十五夜

日本って美しいよね
と、瀬戸内で出会った異国のとある女性が
夜道の月を見て、そう言いました。

だって、今夜月がキレイですね。が、アイラブユーなんだよ。
との言葉に首を傾げれば
日本の有名なライターだよ。と言われるので
その場で調べてみれば

夏目漱石
という文字が画面に浮かびます。

知らなかった。

ね。日本の文化って本当に美しいでしょ。
という言葉に
ああ。本当に。そうなのだなあ。
と、うなずきました。

異国で生きて来た彼女に、自国の美しさを教わる夜
あの瞬間にからだに吹き抜けた風を、なつかしく思い出す
2021年、それは美しい十五夜でした。

 


彼岸花

夏夜の終わり
線香花火が宙に留まり
そのまま咲いているような
赤く熟れた彼岸花
か細い花弁が散るように
ひらけばたちまちに目を奪う

鮮烈さに目を離せないながらも
すこしの恐ろしさのようなものを感じるのは
あまりにひそやかに咲き佇んでは
気づけば姿を消しているからなのでしょうか