“ 暮らし手記 ”essay

文月の記

posted:2021.07.17

七夕

織姫と彦星が年に一度だけ会えるこの日

今年も短冊に
お願いごとをしるしました。
毎年、同じお願いごとをしているなあ。
と、思いながら
一枚では足りず、もう一枚

誰かのお願いごともそっと書いて
色とりどりの短冊がはためけば

世界が落ち着きますように
健康で元気に過ごせますように

未来を想うたくさんの誰かの思いがありました。

この短冊に書かれた思いたちが
未来の架け橋になっていきますように

そして今宵こそは
天の川が架かりますように。

たなばたさま

ささの葉さらさら

のきばにゆれる

お星様きらきら

きんぎん砂子

五しきのたんざく

わたしがかいた

お星さまきらきら

空からみてる


風鈴

七月を迎えた用宗は
いつも以上に潮風の薫りを
強く感じるようになりました。

今年も去年に引き続き
灯建築舎の軒下に出された風鈴

風に吹かれて
チャリンと鳴れば
くるりと揺れる

揺れるたびに描かれる
光と風の通り道

目にするたび、耳にするたび
もう夏なのだなあ。と、
胸がすうっとしてきます。


浴衣

大人になったら挑戦したいものの一つがお着物です。
絹のお着物を日常的に着ることは敷居が高いのですが
今年こそは気軽に楽しもうと、まずは浴衣を着ることから始めてみました。

久しぶりに浴衣の着方を思い出しながら
はだけぬように、首元の余白をのこして
帯で締めれば、背筋がしゃんと伸びていく

自分がいつかやりたかったことを
できる範囲で、少しだけ背伸びをして
日々の中で楽しむ心

大人になった今だからこそ
大切にしたいなあと思うのです。


お盆

一足先に、お盆でした。

わたしをとても可愛がってくれた祖父、祖父の母と父
三人が我が家へかえってくるこの期間

お供えのお団子、お菓子、お花を買い
迎え火を焚き、迎え入れ
ともにすごす四日間はあっという間に過ぎていき
もう帰っちゃうんだね
と、祖母と送り火を焚き、送り出しました。

じいちゃんたち、もう着いたかな?

なんて会話をしながら
あの頃三歳だったおぼつかなかった少女は
三十三歳になり、祖父が亡くなってから
すでに三十年以上の月日が経ったことに驚きます。

季節が巡り
数々の時に運ばれてきたかのように大人になり
もう三十年も会っていないというのに
この身に祖父の気配をどこかで感じるのは
血縁という言葉一つではあらわしきれない
祖父に注ぎ込まれた、孫がかわいくてしかたがない。
という確かな愛情が、私の中で血液とともに巡っているからだと思うのです。

夏の夜
送り火を焚きながら
歌をうたう祖母の横顔を眺めながら
今年のお盆も、あっという間にすぎていきました。